rdtool 0.6.31 → 0.6.32

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@@ -0,0 +1,466 @@
1
+ <?xml version="1.0" ?>
2
+ <!DOCTYPE html
3
+ PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"
4
+ "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
5
+ <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
6
+ <head>
7
+ <title>doc/rd-draft.rd.ja</title>
8
+ </head>
9
+ <body>
10
+ <h1><a name="label-0" id="label-0">RD working draft 日本語版</a></h1><!-- RDLabel: "RD working draft 日本語版" -->
11
+ <p>英語版は<a href="http://www.ruby-lang.org/~rubikitch/RDP-en.cgi?cmd=view&amp;name=RD">ここ</a>にあります。</p>
12
+ <h2><a name="label-1" id="label-1">RDとは何か</a></h2><!-- RDLabel: "RDとは何か" -->
13
+ <p>RDとはRuby版のPODです。つまりRubyスクリプトファイルの中に埋め込む事を意図して
14
+ 定義されたドキュメントフォーマットです。</p>
15
+ <p>RDは主にplain textをさまざまなフォーマットに変換するplain2というプログラム
16
+ の影響を受けています。そのため、RDはplain textに似ており、シンプルですっきり
17
+ した文法なので読みやすく書きやすいでしょう。</p>
18
+ <h2><a name="label-2" id="label-2">RubyインタプリタはRDをどのように扱うか</a></h2><!-- RDLabel: "RubyインタプリタはRDをどのように扱うか" -->
19
+ <p>Rubyのインタプリタは単純に"<code>=begin</code>"で始まる行から"<code>=end</code>"で始まる
20
+ 行までを無視します。ですから、スクリプトファイル中に埋め込む事ができるのは
21
+ RDだけではありません。何でも<code>=begin</code>と<code>=end</code>の間に書く事ができるの
22
+ です。RDは選択肢の一つにすぎませんが、Ruby標準のドキュメントフォーマットと
23
+ されています。<a name="footmark-1" id="footmark-1" href="#foottext-1"><sup><small>*1</small></sup></a></p>
24
+ <h2><a name="label-3" id="label-3">RDの基本的な概念と文法</a></h2><!-- RDLabel: "RDの基本的な概念と文法" -->
25
+ <h3><a name="label-4" id="label-4">Element, Block, Inline</a></h3><!-- RDLabel: "Element, Block, Inline" -->
26
+ <p>これからの説明では"Element"という用語<a name="footmark-2" id="footmark-2" href="#foottext-2"><sup><small>*2</small></sup></a>をテキストに文章構造を与えるための
27
+ 構成要素という意味で用います。さらに、"<a href="#label-5">Block</a>"という用語を比較的
28
+ 大きくグローバルな構造を表すElementに、"<a href="#label-35">Inline</a>"という用語を比較的小さ
29
+ くローカルな、テキストに付加的な修飾を与えるElementに対して用います。</p>
30
+ <p>段落や見出し、リストなどがBlockです。RDではBlockを表すのに
31
+ インデントや特殊文字を用います。Blockを入れ子にすることで複雑な
32
+ 構造も表現できます。そして、Blockの表現は自然とplain textに見え
33
+ ます。詳しくは<a href="#label-5">Block</a>を見てください。</p>
34
+ <p>強調やコードや参照などがInlineです。((? ... ?))のようなカッコと
35
+ 特殊文字の組合せがInlineの表現に使われます。ほとんどのInlineが互いに
36
+ 入れ子にできます。詳しくは<a href="#label-35">Inline</a>を見てください。</p>
37
+ <h3><a name="label-5" id="label-5">Block</a></h3><!-- RDLabel: "Block" -->
38
+ <h4><a name="label-6" id="label-6">基本文法</a></h4><!-- RDLabel: "基本文法" -->
39
+ <p>Blockは行指向の文法にしたがいます。つまり、同じ行にある文字はすべて同じ
40
+ Blockに属しています。インデントはBlockの入れ子レベルとタイプを表して
41
+ います。行の先頭の文字はBlockのタイプに関係します。</p>
42
+ <h5><a name="label-7" id="label-7">概念と用語</a></h5><!-- RDLabel: "概念と用語" -->
43
+ <dl>
44
+ <dt><a name="label-8" id="label-8">Baseline</a></dt><!-- RDLabel: "Baseline" -->
45
+ <dd>
46
+ Baselineはインデントの基準です。ある行のインデントととBaselineの相対的
47
+ な深さはその行の属するBlockのタイプに影響します。
48
+ </dd>
49
+ <dt><a name="label-9" id="label-9">Head Char</a></dt><!-- RDLabel: "Head Char" -->
50
+ <dd>
51
+ Head Charは空白文字を除いた行の先頭の文字です。
52
+ </dd>
53
+ <dt><a name="label-10" id="label-10">STRINGLINE</a></dt><!-- RDLabel: "STRINGLINE" -->
54
+ <dd>
55
+ STRINGLINEは普通の文字で構成された行です。STRINGLINEは"<code>*</code>",
56
+ "<code>(<var>num</var>)</code>", "<code>:</code>", "<code>=</code>", "<code>+</code>"といった文字を
57
+ Head Charとしては含みません。しかし、インデントされた行なら"<code>=</code>"
58
+ や"<code>+</code>"をHead Charとすることができます。
59
+ </dd>
60
+ <dt><a name="label-11" id="label-11">WHITELINE</a></dt><!-- RDLabel: "WHITELINE" -->
61
+ <dd>
62
+ WHITELINEは空白文字だけの行です。
63
+ </dd>
64
+ <dt><a name="label-12" id="label-12">Comment</a></dt><!-- RDLabel: "Comment" -->
65
+ <dd>
66
+ <code>/^#/</code>にマッチする行はコメントとみなされます。
67
+ </dd>
68
+ </dl>
69
+ <h5><a name="label-13" id="label-13">Baselineの決定と影響</a></h5><!-- RDLabel: "Baselineの決定と影響" -->
70
+ <p>トップレベルでは<a href="#label-8">Baseline</a>は行の左端です。リスト内ではBaselineはListItem
71
+ の最初の<a href="#label-5">Block</a>によって決定します。例えば、</p>
72
+ <pre>Example: "|" はBaselineを表しています。
73
+ |この行はトップレベルのTextBlockの行だとします。
74
+ |&lt;- したがって、Baselineは左端です。
75
+ *|List内では (1)
76
+ |&lt;- このようにBaselineは(1)の行で決定されます。
77
+ * |同じListでもListItem毎にBaselineが決定されます。
78
+ |&lt;- したがって、1番目のListItemとは違うここにBaselineがあります。</pre>
79
+ <p>|この行はトップレベルのTextBlockの行だとします。
80
+ |&lt;- したがって、Baselineは左端です。</p>
81
+ <ul>
82
+ <li>|List内では (1)
83
+ |&lt;- このようにBaselineは(1)の行で決定されます。</li>
84
+ <li>|同じListでもListItem毎にBaselineが決定されます。
85
+ |&lt;- したがって、1番目のListItemとは違うここにBaselineがあります。</li>
86
+ </ul>
87
+ <p>Blockが別のBlockに入れ子になっている時には内部のBlockのBaselineは外側の
88
+ BlockのBaselineよりも深くなります。</p>
89
+ <p>Baselineとインデントの相対的な位置関係がBlockのタイプに影響します。
90
+ Baselineと同じ深さにインデントされた<a href="#label-10">STRINGLINE</a>は<a href="#label-20">TextBlock</a>
91
+ に属す行となります。一方Baselineより深くインデントされた<a href="#label-10">STRINGLINE</a>
92
+ は<a href="#label-21">Verbatim</a>の行です。</p>
93
+ <h4><a name="label-14" id="label-14">Blockのタイプ</a></h4><!-- RDLabel: "Blockのタイプ" -->
94
+ <h5><a name="label-15" id="label-15">Headline</a></h5><!-- RDLabel: "Headline" -->
95
+ <p>Headlineは"<code>=</code>"か"<code>+</code>"を<a href="#label-9">Head Char</a>とする行で構成されます。
96
+ Headlineは1行以上にはなりません。Headlineはトップレベルだけに置く事が
97
+ できます。</p>
98
+ <pre>Example:
99
+ |&lt;- トップレベルのBaseline
100
+ = Headline 1.
101
+ === Headline 1.1.1.
102
+ + Headline 1.1.1.1.1.</pre>
103
+ <h1><a name="label-16" id="label-16">Headline 1.</a></h1><!-- RDLabel: "Headline 1." -->
104
+ <h3><a name="label-17" id="label-17">Headline 1.1.1.</a></h3><!-- RDLabel: "Headline 1.1.1." -->
105
+ <h5><a name="label-18" id="label-18">Headline 1.1.1.1.1.</a></h5><!-- RDLabel: "Headline 1.1.1.1.1." -->
106
+ <p>Headlineの先頭の特殊文字はHeadlineのレベルを表しています。次の図で
107
+ 最初のマークは最も大きなレベルのもので、最後のマークがもっとも小さな
108
+ レベルのものです。</p>
109
+ <pre>Fig: Headline Marks
110
+ =
111
+ ==
112
+ ===
113
+ ====
114
+ +
115
+ ++</pre>
116
+ <p>マークに続くテキストはHeadlineのタイトルです。これは同時に
117
+ <a href="#label-46">Reference</a>のラベルとして使われます。</p>
118
+ <p>Headlineのタイトルには<a href="#label-46">Reference</a>とFootnoteを除く<a href="#label-35">Inline</a>を使う事が
119
+ できます。</p>
120
+ <h5><a name="label-19" id="label-19">Include</a></h5><!-- RDLabel: "Include" -->
121
+ <p>Includeは"<code>&lt;&lt;&lt;</code>"を<a href="#label-9">Head Char</a>とし、その後ろにインクルードする
122
+ ファイルの名前が続く行からなります。RD形式のファイルと出力するフォーマッ
123
+ トで書かれたファイルのどちらでもIncludeによってインクルードできます。</p>
124
+ <p>RD形式のファイルをインクルードする時にはインクルードされるファイルの名
125
+ 前は"foo.rd"の様に".rd"もしくは".rb"というサフィックスでなくてはなりま
126
+ せん。そして、"<code>&lt;&lt;&lt;</code>"の後にはサフィックスを含めたファイルの完全な
127
+ 名前を書きます。例えば、次の様にです。</p>
128
+ <pre>&lt;&lt;&lt; foo.rd</pre>
129
+ <p>出力するフォーマットのファイルをインクルードするには、インクルードされる
130
+ ファイルはその出力フォーマットに固有のサフィックスを持たないといけません。
131
+ 例えば、HTMLのファイルをインクルードするには".html"というサフィックスを、
132
+ Texinfo形式のファイルをインクルードするには".texi"というサフィックスを
133
+ つけます。そして、"<code>&lt;&lt;&lt;</code>"の後ろにはサフィックスを除いたファイルの
134
+ 名前を書きます。例えば、</p>
135
+ <pre>&lt;&lt;&lt; foo</pre>
136
+ <p>と書くわけです。</p>
137
+ <p>この場合、RDフォーマッタはHTMLを出力する時には"foo.html"をインクルード
138
+ し、Texinfo形式で出力する時には"foo.texi"をインクルードします。出力フォー
139
+ マットのIncludeを用いる時には複数の(しかもなるべく多くの)形式のインク
140
+ ルードファイルを用意すべきです。</p>
141
+ <h5><a name="label-20" id="label-20">TextBlock</a></h5><!-- RDLabel: "TextBlock" -->
142
+ <p>TextBlockは複数の<a href="#label-10">STRINGLINE</a>から構成されます。それらの行は<a href="#label-8">Baseline</a>
143
+ と同じインデントでないといけません。<a href="#label-8">Baseline</a>より深い<a href="#label-10">STRINGLINE</a>は
144
+ <a href="#label-21">Verbatim</a>の行とみなされます。</p>
145
+ <p>TextBlockは<a href="#label-35">Inline</a>を内部に含む事ができます。</p>
146
+ <pre>Example:
147
+ |
148
+ これはTextBlockです。
149
+ TextBlockの2行目の行です。
150
+ この行はTextBlockでなくVerbatimです。
151
+ * そしてこの行はListの行です。(正確にはListItemの中のTextBlockの行でも
152
+ あるのですが)</pre>
153
+ <p>この例は次のようにフォーマットされます。</p>
154
+ <p>これはTextBlockです。
155
+ TextBlockの2行目の行です。</p>
156
+ <pre>この行はTextBlockでなくVerbatimです。</pre>
157
+ <ul>
158
+ <li>そしてこの行はListの行です。(正確にはListItemの中のTextBlockの行でも
159
+ あるのですが)</li>
160
+ </ul>
161
+ <h5><a name="label-21" id="label-21">Verbatim</a></h5><!-- RDLabel: "Verbatim" -->
162
+ <p>Rubyスクリプトを引用するのにVerbatimを用いる事ができます。Verbatimは
163
+ <a href="#label-8">Baseline</a>より深いインデントを持つ<a href="#label-10">STRINGLINE</a>で構成されます。
164
+ Verbatimは"<code>*</code>"や"<code>(1)</code>"や"<code>:</code>"といった特殊文字を<!-- Reference, RDLabel "Head
165
+ Char" doesn't exist --><em class="label-not-found">Head
166
+ Char</em><!-- Reference end -->として持つ行も含む事ができますが、それらは最初の行には置く事
167
+ ができません。最初の行にあるときには<a href="#label-22">List</a>と見なされます。Verbatim
168
+ は最初の行より浅いインデントの行も含みません。Verbatimは<a href="#label-11">WHITELINE</a>
169
+ を含める事ができます。</p>
170
+ <p><a href="#label-35">Inline</a>はVerbatim内では使えません。</p>
171
+ <pre>Example:
172
+ これはVerbatimです。
173
+ 最初の行より深いインデントを持っても、同じVerbatimの行になります。
174
+ * この行はListに見えますが、Verbatimです。
175
+ しかしこの行は最初の行よりも浅くインデントされているので、別のVerbatim
176
+ の行になります。</pre>
177
+ <p>この例が次のようにフォーマットされます。</p>
178
+ <pre>これはVerbatimです。
179
+ 最初の行より深いインデントを持っても、同じVerbatimの行になります。
180
+ * この行はListに見えますが、Verbatimです。</pre>
181
+ <pre>しかしこの行は最初の行よりも浅くインデントされているので、別のVerbatim
182
+ の行になります。</pre>
183
+ <h5><a name="label-22" id="label-22">List</a></h5><!-- RDLabel: "List" -->
184
+ <p>Listは特殊な<a href="#label-5">Block</a>です。Listは複数のListItemから構成され、ListItem
185
+ は複数のBlockから構成されます。したがって、ListはBlockを内部に含む事が
186
+ できます。含む事のできるBlockにはList自身も含みます。<a name="footmark-3" id="footmark-3" href="#foottext-3"><sup><small>*3</small></sup></a></p>
187
+ <p>ListItemは<a href="#label-11">WHITELINE</a>を含む事ができますが、<a href="#label-20">TextBlock</a>は
188
+ 持てません。そのため、WHITELINEを間にはさむ事によって複数のTextBlock
189
+ をListItem内部に置く事ができます。</p>
190
+ <p>Listには"<a href="#label-23">ItemList</a>"、"<a href="#label-24">EnumList</a>"、"<a href="#label-25">DescList</a>",
191
+ "<a href="#label-28">MethodList</a>の4種類があります。</p>
192
+ <h6><a name="label-23" id="label-23">ItemList</a></h6><!-- RDLabel: "ItemList" -->
193
+ <p>ItemListは単純な番号付されないListです。ItemListItemは"<code>*</code>"という
194
+ <a href="#label-9">Head Char</a>の行で始まります。ItemListItemの最初のBlockは必ず
195
+ <a href="#label-20">TextBlock</a>になります。</p>
196
+ <pre>Example:
197
+ * 親Listの最初のItem
198
+ * 子Listの最初のItem
199
+ * 子Listの2番目のItem
200
+ 親ListのItemに含まれるTextBlock</pre>
201
+ <p>下のようにフォーマットされます。</p>
202
+ <ul>
203
+ <li><p>親Listの最初のItem</p>
204
+ <ul>
205
+ <li>子Listの最初のItem</li>
206
+ <li>子Listの2番目のItem</li>
207
+ </ul>
208
+ <p>親ListのItemに含まれるTextBlock</p></li>
209
+ </ul>
210
+ <h6><a name="label-24" id="label-24">EnumList</a></h6><!-- RDLabel: "EnumList" -->
211
+ <p>EnumListは番号付されたListです。EnumListItemは"<code><var>num</var></code>"(<var>num</var>
212
+ は整数)という<a href="#label-9">Head Char</a>の行ではじまります。他の点ではEnumListは
213
+ <a href="#label-23">ItemList</a>と同じです。</p>
214
+ <pre>Example:
215
+ (1) 親Listの最初のItem
216
+ * 子ListとなるItemList
217
+ (2) 親Listの2番目のItem
218
+ (10) 番号は無視されます。</pre>
219
+ <p>次のようにフォーマットされます。</p>
220
+ <ol>
221
+ <li>親Listの最初のItem
222
+ <ul>
223
+ <li>子ListとなるItemList</li>
224
+ </ul></li>
225
+ <li>親Listの2番目のItem</li>
226
+ <li>番号は無視されます。</li>
227
+ </ol>
228
+ <h6><a name="label-25" id="label-25">DescList</a></h6><!-- RDLabel: "DescList" -->
229
+ <p>DescListは用語説明のためのListです。DescListItemは2つの部分からなります。
230
+ 1つはTermパートでもう1つはDescriptionパートです。Termパートは<a href="#label-46">Reference</a>
231
+ のLabelとして使われます。</p>
232
+ <p>Termパートは"<code>:</code>"という<a href="#label-9">Head Char</a>の行からなります。Termパートの
233
+ 行はインデントできることを除くとTermパートは<a href="#label-15">Headline</a>と同様です。</p>
234
+ <p>DescriptionパートはTermパートの次の行からはじまります。Descriptionパート
235
+ の<a href="#label-8">Baseline</a>はTermパートの(<a href="#label-9">Head Char</a>を除いた)テキスト部分と
236
+ 同じかより深くないといけません。例えば次の例は間違っています。</p>
237
+ <pre>Example:
238
+ : |Term
239
+ |Description.</pre>
240
+ <p>Descriptionぱーとは複数の<a href="#label-5">Block</a>を含む事ができます。<a href="#label-22">List</a>を
241
+ 最初のBlockとすることもできます。Termパートは<a href="#label-35">Inline</a>を含む事が
242
+ できますが、<a href="#label-46">Reference</a>とFootnoteは例外です。</p>
243
+ <pre>Example:
244
+ :Term
245
+ Descriptionの最初の行
246
+ 2番目の行
247
+ :Term2
248
+ * Listも含む事ができます
249
+ * ...</pre>
250
+ <p>次のようにフォーマットされます。</p>
251
+ <dl>
252
+ <dt><a name="label-26" id="label-26">Term</a></dt><!-- RDLabel: "Term" -->
253
+ <dd>
254
+ Descriptionの最初の行
255
+ 2番目の行
256
+ </dd>
257
+ <dt><a name="label-27" id="label-27">Term2</a></dt><!-- RDLabel: "Term2" -->
258
+ <dd>
259
+ <ul>
260
+ <li>Listも含む事ができます</li>
261
+ <li>...</li>
262
+ </ul>
263
+ </dd>
264
+ </dl>
265
+ <h6><a name="label-28" id="label-28">MethodList</a></h6><!-- RDLabel: "MethodList" -->
266
+ <p>MethodListはメソッドの説明のための特殊なタイプの<a href="#label-25">DescList</a>です。
267
+ ほとんどの点でMethodListは<a href="#label-25">DescList</a>と同様ですが、Labelの規則
268
+ は違っています。RDフォーマッタはMethodListのTermパートがなんらかの
269
+ Rubyのあるクラスのメソッドや定数やCの関数プロトタイプといったような
270
+ プログラムのコードであると知っています。そのため、MethodListは
271
+ メソッドの引数のように見える部分を除いた上でLabelとなります。詳細は
272
+ <a href="#label-44">LabelとReference</a>を見てください。</p>
273
+ <p>MethodListItemは<a href="#label-25">DescList</a>と同様にTermパートとDescription
274
+ パートを持ちます。Termパートは"<code>---</code>"という<a href="#label-9">Head Char</a>
275
+ の行でなり、Descriptionパートは<a href="#label-20">TextBlock</a>や<a href="#label-21">Verbatim</a>
276
+ 、<a href="#label-22">List</a>を含む事ができます。しかし、逆にMethodListを<a href="#label-22">List</a>
277
+ の中に置くべきではありません。RDは将来的にはこれを禁止するかも
278
+ しれません。</p>
279
+ <pre>Example:
280
+ --- Array#each {|i| ... } # =&gt; Labelは"Array#each"
281
+ 各項目に対してブロックを評価する。
282
+ --- Array#index(val) # =&gt; Labelは"Array#index"
283
+ ((|val|))と同じ値である最初の項目を返す。同じ項目が無いときには
284
+ (({nil}))を返す。</pre>
285
+ <p>この例が次のようにフォーマットされます。</p>
286
+ <dl>
287
+ <dt><a name="label-29" id="label-29"><code>Array#each {|<var>i</var>| ... }</code></a></dt><!-- RDLabel: "Array#each" -->
288
+ <dd>
289
+ 各項目に対してブロックを評価する。</dd>
290
+ <dt><a name="label-30" id="label-30"><code>Array#index(<var>val</var>)</code></a></dt><!-- RDLabel: "Array#index" -->
291
+ <dd>
292
+ <var>val</var>と同じ値である最初の項目を返す。同じ項目が無いときには
293
+ <code>nil</code>を返す。</dd>
294
+ </dl>
295
+ <p>フォーマッタのいくつかはMethodListのTermパートに書かれているのはRuby
296
+ のメソッドや定数などであると仮定しています。そういったフォーマッタでは
297
+ MethodListのTermパートをインテリジェントに扱う事ができますが、そのため
298
+ には特定の慣習にしたがってRDを書く必要があります。</p>
299
+ <p>標準的なRubyクラスリファレンスのための慣習として次のようなものが提案さ
300
+ れています。</p>
301
+ <dl>
302
+ <dt><a name="label-31" id="label-31">インスタンスメソッド</a></dt><!-- RDLabel: "インスタンスメソッド" -->
303
+ <dd>
304
+ <p>クラス<var>Class</var>のインスタンスメソッド<var>method</var></p>
305
+ <pre>Class#method(its params ...) { parameter block }</pre>
306
+ </dd>
307
+ <dt><a name="label-32" id="label-32">クラスメソッド(クラスの特異メソッド)</a></dt><!-- RDLabel: "クラスメソッド(クラスの特異メソッド)" -->
308
+ <dd>
309
+ <p>クラス<var>Class</var>のクラスメソッド<var>method</var></p>
310
+ <pre>Class.method(its params ...) { parameter block }</pre>
311
+ </dd>
312
+ <dt><a name="label-33" id="label-33">クラス定数</a></dt><!-- RDLabel: "クラス定数" -->
313
+ <dd>
314
+ <p>クラス<var>Class</var>の定数<var>Const</var></p>
315
+ <pre>Class::Const</pre>
316
+ </dd>
317
+ <dt><a name="label-34" id="label-34">関数メソッド</a></dt><!-- RDLabel: "関数メソッド" -->
318
+ <dd>
319
+ <p>関数<var>func</var></p>
320
+ <pre>function#func(its params ...) { parameter block }</pre>
321
+ </dd>
322
+ </dl>
323
+ <p>Rubyはいくつかの特殊な文字(e.g. [], []=, +, -, &lt;&lt;, ...)はメソッドの名前
324
+ (識別子)として使います。この時、Rubyインタプリタはこれらのメソッドの
325
+ パースを普通のメソッドとは違ったやりかた(演算子メソッド)で行います。
326
+ しかし、この慣習ではこれらの演算子メソッドも同じように書きます。</p>
327
+ <pre>Example:
328
+ --- Array#[](key)
329
+ ((|key|))に対応する値を返す。
330
+ --- Array#[]=(key, value)
331
+ ((|key|))の場所に((|value|))を格納する。
332
+ --- Array#+(other)
333
+ 2つの(({Array}))を結合してそれを返します。</pre>
334
+ <h3><a name="label-35" id="label-35">Inline</a></h3><!-- RDLabel: "Inline" -->
335
+ <p>Inlineは<a href="#label-20">TextBlock</a>や<a href="#label-15">Headline</a>、<a href="#label-25">DescList</a>のTermパートの
336
+ 中で使う事ができます。カッコを使ったマークアップがInlineに使われます。
337
+ Inline同士は互いに入れ子にできます。</p>
338
+ <p>次のInlineの一覧では左側に書式を、右側にフォーマット後の様子を表示
339
+ しています。</p>
340
+ <dl>
341
+ <dt><a name="label-36" id="label-36">((*Em*)) =&gt; <em>Em</em></a></dt><!-- RDLabel: "((*Em*)) => Em" -->
342
+ <dd>
343
+ 強調
344
+ </dd>
345
+ <dt><a name="label-37" id="label-37">(({while gets...})) =&gt; <code>while gets...</code></a></dt><!-- RDLabel: "(({while gets...})) => while gets..." -->
346
+ <dd>
347
+ プログラムのコード
348
+ </dd>
349
+ <dt><a name="label-38" id="label-38">((|var|)) =&gt; <var>var</var></a></dt><!-- RDLabel: "((|var|)) => var" -->
350
+ <dd>
351
+ メタ変数<a name="footmark-4" id="footmark-4" href="#foottext-4"><sup><small>*4</small></sup></a>
352
+ </dd>
353
+ <dt><a name="label-39" id="label-39">((%ruby -v%)) =&gt; <kbd>ruby -v</kbd></a></dt><!-- RDLabel: "((%ruby -v%)) => ruby -v" -->
354
+ <dd>
355
+ キーボード
356
+ </dd>
357
+ <dt><a name="label-40" id="label-40">((:Term:))</a></dt><!-- RDLabel: "((:Term:))" -->
358
+ <dd>
359
+ <p>=&gt; <a name="index-0" id="index-0">Term</a></p>
360
+ <p>インデクスやキーワードとなる用語の指定</p>
361
+ </dd>
362
+ <dt><a name="label-41" id="label-41">((&lt;Identity or URL&gt;))</a></dt><!-- RDLabel: "((<Identity or URL>))" -->
363
+ <dd>
364
+ <p>=&gt; <!-- Reference, RDLabel "Indentity or URL" doesn't exist --><em class="label-not-found">Indentity or URL</em><!-- Reference end --></p>
365
+ <p>参照。詳しくは<a href="#label-44">LabelとReference</a>を見てください。</p>
366
+ </dd>
367
+ <dt><a name="label-42" id="label-42">((-Footnote-))</a></dt><!-- RDLabel: "((-Footnote-))" -->
368
+ <dd>
369
+ <p>=&gt; <a name="footmark-5" id="footmark-5" href="#foottext-5"><sup><small>*5</small></sup></a></p>
370
+ <p>脚注</p>
371
+ </dd>
372
+ <dt><a name="label-43" id="label-43">(('verb')) =&gt; verb</a></dt><!-- RDLabel: "(('verb')) => verb" -->
373
+ <dd>
374
+ Inlineのvarbatim(フォーマット抑制)
375
+ </dd>
376
+ </dl>
377
+ <h4><a name="label-44" id="label-44">LabelとReference</a></h4><!-- RDLabel: "LabelとReference" -->
378
+ <p>ReferenceにはLabelが必要です。RDでは<a href="#label-15">Headline</a>のタイトルと<a href="#label-25">DescList</a>
379
+ や<a href="#label-28">MethodList</a>のTermパートだけがLabelとなります。したがって、各々の
380
+ <a href="#label-15">Headline</a>には違うタイトルをつけてあげなくてはなりません。この問題の
381
+ きちんとした解決策はまだ見付かっていません。</p>
382
+ <h5><a name="label-45" id="label-45">どのようにLabelがつけられるか</a></h5><!-- RDLabel: "どのようにLabelがつけられるか" -->
383
+ <p><a href="#label-15">Headline</a>のタイトルと<a href="#label-25">DescList</a>や<a href="#label-28">MethodList</a>のTermパートが
384
+ Labelとして使われます。しかし、<a href="#label-35">Inline</a>が含まれるために、それらが
385
+ そのままLabelとして使われる、というほど単純ではありません。</p>
386
+ <p>第一に、<a href="#label-28">MethodList</a>はLabel付けにおいてはやや特殊です。<a href="#label-28">MethodList</a>
387
+ のTermパートは<a href="#label-35">Inline</a>を含みませんが、その代わりRDでは<a href="#label-28">MethodList</a>
388
+ のTermパートはメソッドリファレンスやそれに類似の物とみなされますので、次の
389
+ ようなルールでラベルが付けられます。</p>
390
+ <ol>
391
+ <li>"<code>(</code>"や"<code>{</code>"の前にあるテキストだけがラベルと見なされる。<a name="footmark-6" id="footmark-6" href="#foottext-6"><sup><small>*6</small></sup></a></li>
392
+ </ol>
393
+ <p>次の例を見れば、どのようにルールが適用されているかわかるでしょう。
394
+ "<code># =&gt;</code>"より右にあるのが<a href="#label-28">MethodList</a>のTermパートから抽出された
395
+ Labelです。</p>
396
+ <pre>Example:
397
+ --- Array.new([size[, val]]) # =&gt; Array.new
398
+ --- Array#[]=(key, val) # =&gt; Array#[]=
399
+ --- Array#each { ... } # =&gt; Array#each
400
+ --- void rb_define_method(VALUE class, ...) # =&gt; void rb_define_method</pre>
401
+ <p>次に、<a href="#label-15">Headline</a>のタイトルや<a href="#label-25">DescList</a>のTermパートの場合には、この
402
+ ような特別なルールはありませんが、<a href="#label-35">Inline</a>を含む事があるので、<a href="#label-35">Inline</a>
403
+ に用いるカッコを取り除くためのルールがあります。</p>
404
+ <ol>
405
+ <li><p>どんな<a href="#label-35">Inline</a>修飾もLabelには影響しません。したがって、</p>
406
+ <pre>= ((*Headline*))</pre>
407
+ <pre>と
408
+ = Headline
409
+ は共に"Headline"とLabelが決まります。</pre></li>
410
+ <li><p>しかし、Labelを抽出する際には<a href="#label-35">Inline</a>の開始カッコの後ろと終端カッコ
411
+ の前にある空白文字は取り除かれます。したがって、</p>
412
+ <pre>= ((* Headline *))</pre>
413
+ <p>も</p>
414
+ <pre>= ((*Headline*))</pre>
415
+ <p>も"Headline"とLabelがつけられます。</p></li>
416
+ </ol>
417
+ <h5><a name="label-46" id="label-46">Reference</a></h5><!-- RDLabel: "Reference" -->
418
+ <p>LabelのつけられたElementはReferenceによって参照できます。Referenceは
419
+ ((&lt;...&gt;))というカッコで修飾される<a href="#label-35">Inline</a>です。</p>
420
+ <p>最も簡単なReferenceの使用法は、単にLabelをそのカッコの中に書けばよいのです。</p>
421
+ <pre>((&lt;Label&gt;))</pre>
422
+ <p>これは"Label"というLabelに対する参照となります。また、フォーマッタによる
423
+ 出力では"Label"というテキストが表示にも使われます。例: <!-- Reference, RDLabel "Label" doesn't exist --><em class="label-not-found">Label</em><!-- Reference end --><a name="footmark-7" id="footmark-7" href="#foottext-7"><sup><small>*7</small></sup></a></p>
424
+ <p>URLによって示されたリソースを参照するには次のように書きます。</p>
425
+ <pre>((&lt;URL:http://www.ruby-lang.org/en/raa.html&gt;))</pre>
426
+ <p>可能ならRDフォーマッタはURLを次のようにハイパーリンクします。例:
427
+ <a href="http://www.ruby-lang.org/en/raa.html">&lt;URL:http://www.ruby-lang.org/en/raa.html&gt;</a>.</p>
428
+ <p>Labelとは違うテキストを表示に使いたい時には次のように書きます。</p>
429
+ <pre>((&lt;Text for display|Label&gt;))</pre>
430
+ <p>"Text for display"が表示用のテキストとして使われ、"Label"がLabelとして
431
+ 使われます。例: <!-- Reference, RDLabel "Label" doesn't exist --><em class="label-not-found">Text for display</em><!-- Reference end --></p>
432
+ <p>表示用のテキストは<a href="#label-35">Inline</a>を含む事ができます。しかし、Footnoteと
433
+ Reference自身を含む事はできません。</p>
434
+ <p>Reference内では"|"や"/"は特殊文字なのでこれらを使いたい時には、それを含む
435
+ 部分ごとダブルクオートで囲ってやらないといけません。これはReference内のどの
436
+ 部分でも同じです。</p>
437
+ <pre>((&lt;"Bar | inside display text"|Label&gt;))</pre>
438
+ <p><!-- Reference, RDLabel "Label" doesn't exist --><em class="label-not-found">Bar | inside display text</em><!-- Reference end --></p>
439
+ <p>表示用のテキストはURLへのReferenceにも使う事ができます。</p>
440
+ <pre>((&lt;Ruby Application Archive|URL:http://www.ruby-lang.org/en/raa.html&gt;))</pre>
441
+ <p><a href="http://www.ruby-lang.org/en/raa.html">Ruby Application Archive</a></p>
442
+ <p>表示用のテキストが無い場合には代わりにLabelに<a href="#label-35">Inline</a>を使えます。</p>
443
+ <pre>((&lt;((*Label*))&gt;))</pre>
444
+ <p><!-- Reference, RDLabel "Label" doesn't exist --><em class="label-not-found"><em>Label</em></em><!-- Reference end --></p>
445
+ <hr />
446
+ <p class="foottext">
447
+ <a name="foottext-1" id="foottext-1" href="#footmark-1"><sup><small>*1</small></sup></a><small>もし他のドキュメントフォーマットに興味があるなら、例えば
448
+ rubyapi2
449
+ <a href="http://www.ueda.info.waseda.ac.jp/~igarashi/ruby/xml.html#rubyapi2">&lt;URL:http://www.ueda.info.waseda.ac.jp/~igarashi/ruby/xml.html#rubyapi2&gt;</a>
450
+ などを見るといいでしょう。これはRuby/Gtkのような大規模ライブラリのドキュメン
451
+ ト向けに作られています。</small><br />
452
+ <a name="foottext-2" id="foottext-2" href="#footmark-2"><sup><small>*2</small></sup></a><small>訳注: RDの文法用語についてはあ
453
+ えて日本語訳をあてませんでした。</small><br />
454
+ <a name="foottext-3" id="foottext-3" href="#footmark-3"><sup><small>*3</small></sup></a><small><a href="#label-15">Headline</a>
455
+ や<a href="#label-19">Include</a>はList内部に持てません。</small><br />
456
+ <a name="foottext-4" id="foottext-4" href="#footmark-4"><sup><small>*4</small></sup></a><small> Varについての詳しい説明はtexinfo.texiの該当部分にあります。</small><br />
457
+ <a name="foottext-5" id="foottext-5" href="#footmark-5"><sup><small>*5</small></sup></a><small>Footnote</small><br />
458
+ <a name="foottext-6" id="foottext-6" href="#footmark-6"><sup><small>*6</small></sup></a><small>
459
+ "<code>(...)</code>"の内部のテキストはメソッドの引数だと見なされ、
460
+ "<code>{...}</code>"の内部のテキストはメソッドのブロックと見なされるのです。</small><br />
461
+ <a name="foottext-7" id="foottext-7" href="#footmark-7"><sup><small>*7</small></sup></a><small>
462
+ "Label"というLabelのついたElementが無いのでおそらくReferenceの様には
463
+ 見えないでしょう。</small><br />
464
+ </p>
465
+ </body>
466
+ </html>